ダイバーシティ |製品関連 | 公開日: 2021年5月21日

『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』のアクセシビリティ機能

6月11日の発売に先立ち、Insomniac Gamesが『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』のアクセシビリティ機能の一部を詳しく紹介
『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』のアクセシビリティ機能

■Insomniac Games アドバンストシニアユーザエクスペリエンスリサーチャー Michele Zorrilla

Insomniac Games(インソムニアックゲームズ)では、人々の心にずっと残り、人生にポジティブな影響を生み出すようなゲームを創り出すことを目標にしていますが、この取り組みのひとつに、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が同じようにプレイできるゲームの開発があります。障がいをお持ちのプレイヤーの方は数多くいらっしゃり、必要となる機能としては、視覚、聴覚、運動/巧緻性、認識の4つのアクセシビリティカテゴリのいずれかに大別される傾向があります。

Insomniac Gamesにおけるアクセシビリティの取り組みは、2018年に発売した『Marvel’s Spider-Man』までさかのぼります。本格的なアクセシビリティ拡充の初めの一歩として、私たちはまずコンサルタントの協力も得て、特に影響が大きいいくつかの機能に改良を加えました。例えばハイコントラスト字幕の表示、ボタン連打の代わりにボタン長押しを使用するオプション、QTE(クイックタイムイベント)やパズルを迂回して進めることができるようにする、といった機能です。こういったシンプルな機能によって、聴覚障がいを持ったプレイヤーや、細かい手の動きや、認知スキルが必要な一連の作業が苦手なプレイヤーをある程度補助できるようになりました。

『Marvel’s Spider-Man』の発売後、障がいをもった方々から Insomniac Gamesに対してポジティブなフィードバックが数多く寄せられたことがきっかけで、プレイステーション®5向けの『Marvel’s Spider-Man Remastered』や『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』、そして今後発売予定であり「ラチェット&クランク」シリーズでは初めてアクセシビリティ機能に対応する『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』でも、アクセシビリティ機能を更に充実させるという決意に繋がりました。

『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』のアクセシビリティ機能

『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』でのアクセシビリティ機能をベースに、『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では、まずどの機能を本作でも引継ぐのか、また「ラチェット」特有のゲームプレイにおいてどのような機能が求められるのかを熟考するところから始めました。本記事ではその中の一部の機能にスポットライトを当ててご紹介したいと思います。

コントラストオプション
コントラストオプションを調整することで、視覚障がいを持つプレイヤーもゲームの世界の重要な情報をはっきりと捉えることができます。これらの機能は『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』で初めて導入され、今回の『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』でも引き続き対応することにしました。

メニューからアクセスできるこのオプションには、様々なカテゴリに使用可能なハイコントラスト背景やシェーダーの設定を用意しており、プレイヤーは各設定を個別に、または組み合わせて使用することが可能です。また、オプションを一度有効にすると、ショートカットを使用することで簡単にオン/オフを切り替えることができるようになります。ちなみにショートカットについてもこの記事の後半で紹介したいと思います。

※本記事の画像はUS版『Ratchet & Clank: Rift Apart』のものを掲載しています

ハイコントラスト背景のオプションでは、背景の彩度を下げ、敵やほかの動き回るオブジェクトなどの要素はフルカラーのままにするため、これらをくっきりと表示させることができます。

コントラストオプションには、ヒーロー味方敵用のシェーダーもあり、10色から選ぶことができます。
敵に関しては、シルエットもさまざまで、形だけで簡単に見分けることができるため、全ての種類の敵に対してシェーダーを1種類、ボス用に別のもう1種類を割り当てています。先日公開した『State of Play』では、サルガッソォのスパイクフロッグからニードルワスプ、ネファリウスシティに出現するあらゆる形や大きさのネファリウス兵まで、さまざまな敵の種類をチェックすることができます。

本作では、インタラクタブル、ハザード、コレクタブルという3つの新しいシェーダーのカテゴリが追加され、これらを使用することで移動中や敵との対峙中にキーアイテムが強調表示されるようになりました。

  • ネファリウスシティでは、ラチェットがウォールランとスイングを交互に使用しなければならないシーケンスがありますが、インタラクタブルシェーダーを有効にすることで、このネオンライトに彩られた喧噪の中でもオブジェクトの視認性を向上させられます。
  • またハザードシェーダーを使用すれば、ラチェットやリベットにダメージを与える敵以外のオブジェクト(例えば爆発する木箱など)を素早く見分けることでき、アリーナでの戦いのような、あわただしい状況の中で役に立ちます。
  • そして中にはゴールデンボルトがお目当てのプレイヤーもいることでしょう。コレクタブルシェーダーを使用することで、ゴールデンボルトのような見つかりにくいお宝を違う色で強調することもできます!

ショートカットとゲーム速度
『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』で初めてショートカットを導入しましたが、プレイヤーからの大きな反響にとても驚きました。ショートカットによってボタン連打が困難なプレイヤーでも、フィニッシャーやヴェノムの能力コンボが可能になったのです。

今回の『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では方向キー全てがデフォルトで武器のクイック選択に設定されているため、プレイヤーはお気に入りの武器を素早く切り替えることができます。 そして各方向キーにもコントラストオプションのオン/オフ切り替えや、武器のスローイング、またはオーバーヘッドパワースラムなど、さまざまなオプションのボタン割り当てを好みによって変更することが可能です。

特に、今回ショートカットに含めたゲーム速度をご紹介できることに私たち全員がワクワクしています!このオプションは、敵との戦闘中に圧倒されてしまうことがある、または動き回るシチュエーションで素早いボタン入力が難しかった、などのプレイヤーからの声に応える形で、認識アクセシビリティ及び運動アクセシビリティの一部として追加されました。 この機能によってプレイヤーはショートカットボタンにゲーム速度を通常の70%、50%、または30%に変更する機能を割り当てることが可能になります。そして速度の割り当てをしたショートカットボタンを押下することで、選択した速度にゲームをスピードダウンさせたり、再度同じボタンを押下することで普通の速度に戻すことができます。

  • ボス戦中にミサイルの連射にさらされそうなピンチの状況で、反応する時間がもう少し欲しいとき、ゲーム速度のオプションがお役に立ちます!
  • ネファリウスシティのような、移動に上手な身のこなしが必要なセクションでもう少しゆっくりボタン操作したいときも、ゲーム速度のオプションがあなたの味方になります!
  • サルガッソゥの毒の沼地で超高速で爆走するスピートルに乗っているのにくしゃみが出そう。だけど一時停止はしたくない。そんなときもワンボタンでのゲーム速度変更がお助け!

トグル
ボタンの長押しは手が攣ったり、指の疲れの原因になりますが、これをトグルに替えられるようにしたことは、多くの支持を受けた機能のひとつでした。『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』ではアクセシビリティの中にトグルとアシストに特化した専用のサブメニューが存在します。

「ラチェット&クランク」シリーズを特徴づける要素の一つは武器であり、どのように武器を放つか、プレイヤーに選択肢をもたせることを私たちは重要視しました。本作ではプレイヤーは発射モードから、デフォルト、長押し、トグルのいずれかを選択することができます。

  • デフォルトでは武器操作はタップ、長押し、リリースで行います。
  • 長押しを選択した場合、武器の中でも通常は連射されないものが連射できるようになることがあります。
  • 一方でトグルを使用すると、一部の武器はトグルがオフになるまで連射を続けます。

現時点で異なる発射モードがどのように動作するのか、実際の武器を2つほど例に挙げて紹介したいと思います。

エンフォーサー

  • デフォルト
    • R2ボタンを半押しで精密射撃
    • R2ボタンをフル押しで2連ショット
  • 長押し
    • R2ボタンの半押しを長押しで精密射撃の連射
    • R2ボタンのフル押しを長押しで2連ショットの連射
  • トグル
    • R2ボタンの半押しをタップし、精密射撃をオン
    • R2ボタンのフル押しをタップで2連ショットをオン
    • 再度タップで発射中止

ネガトロンコライダー

  • デフォルト
    • R2ボタンを半押しでショットをチャージ
    • R2ボタンをフル押しで発射
  • 長押し
    • R2ボタンの長押しで連続チャージののち、発射
  • トグル
    • R2ボタンのタップでチャージと発射をオン
    • 再度タップで発射中止

弾数が少ない武器や、シャッターボムのように発射スピードが遅い武器は、連射ができないため、プレイヤーがいつどのように使うかを選ぶことができます。

異なる発射モードだけでなく、照準を合わせたり、武器ホイールにアクセスする際、またはスイングを使用する際も長押しとトグルのオプションから任意で選択可能な仕様になっています。

今回この記事で紹介したアクセシビリティ機能は『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』で対応するオプションのほんの一部です。Insomniac Gamesのサイトから対応するアクセシビリティ機能一覧をすべて見ることができるので、是非チェックしてみてください(英文でのご案内となります)。

最後に

私たちはアクセシビリティの向上とたゆまぬ機能拡張によって、さらに多くの皆さまが、同じようにゲームをプレイできる未来を楽しみにしています。『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』で行ったように、新しい機能をゲームからゲームへと引継ぐことは可能ですし、私たちの作るゲームをより多くのプレイヤーにお届けし、アクセシビリティ機能を更に向上・拡大させる基礎の構築に注力しています。この取り組みは、さまざまなバックグラウンドを持つ人々の人生をより豊かにするという私たちの使命の重要な一部です。

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