カルチャー | 公開日: 9月 14, 2021

金曜午後はリセット時間

グローバルな働き方でもワークライフバランスを大切に
金曜午後はリセット時間

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)では、今年の4月より、毎週金曜日の午後(現地時間)に会議を入れず、溜まった仕事に取り組む、一週間を振り返る、今後についてじっくり考えるなど、仕事のリセットに時間を使う施策「Reset Time」をグローバルで一斉に導入しています。この記事では、本施策のスピーディな導入の裏側や、働き方への効果について、SIE総務人事部の茂呂志帆と平井七実が語ります。

――「Reset Time」導入のきっかけを教えてください。

平井:SIEは、グローバル体制で仕事をする組織が多いという特徴があります。コロナ禍で在宅勤務となり、通勤の負担が減るなど良い面もある一方で、時差を伴う世界各拠点との会議が日常的に行われる場面が多く、社員のワークライフバランスが乱れることもありました。

そんな状況に社長のジム・ライアンさんも強い課題意識を持たれていました。ジムさんご本人から全社員へ向けて、週次でメッセージを発信しているのですが、そこでこの課題をとりあげて、PlayStation®5(PS5™)のローンチ(昨年11月)が落ち着いたら、働き方の改善に取り組もうと声をあげてくれました。その翌月には、同メッセージの中でReset Timeの原型となる「金曜日の午後は会議を入れず、その分溜まった仕事やメールの対応、あるいは今後の計画を立てることなどに時間を充てる」というチャレンジを提案されたのです。

――本格スタートまでの道のりや、苦労したことがあれば教えてください。

平井:まずはやってみようということで、導入検討のためのトライアルを12月中旬から約一カ月間グローバルで実施し、実施した部署にアンケートをお願いしました。結果としてポジティブなフィードバックが多く、さまざまな意見を反映させながら準備を進めて、今年の4月にグローバルで同時導入を果たしました。

茂呂:トライアルや準備期間中、実は日本では、顧客との打合せや決算・納期等の業務スケジュールの兼ね合いもあり、金曜日の午後に会議を入れないというのは現実的にかなり難しい、という声もありました。そのため、金曜日の午後限定ではなく、各組織で最も効率の高まる曜日・時間帯にReset Timeを設定するという方針で進みましたが、SIEグローバル全体でチャレンジすることに意義があると信じて、どのような形であれば実現できるのかリーダーの皆さんと対話を重ね、最終的には金曜日の午後に設定することで落ち着きました。

――日本の現場での反応はいかがですか?

平井:社員の皆さんからは、自分の時間がしっかり取れるようになったとポジティブな反応が多い印象です。マネジメントの皆さんからは、業務効率を懸念する声もありましたが、一度実践してみると組織や自分自身にとってもメリットを感じてもらえる場合が多く、結果的には定着している様子です。基本的には一週間の業務や思考を整理し、自分の仕事に集中するための時間ですが、緊急トラブル時に相談する機会としても、有効に活用されています。

茂呂:Reset Timeは業務時間中に設定されているので、実践もしやすいですし、じっくりと考える時間を確保できることが良いようですね。

――導入成功のカギは何だったのでしょうか。

平井:働き方やワークライフバランスといったテーマに対して、トップマネジメント自らがオーナーシップとスピ―ド感を持っていることと、タウンホールミーティングの実施など社員とこまめにコミュニケーションをしながら取り組んでいるので、社員へのメッセージが伝わりやすい環境ができていることが大きな成功要因になっていると感じます。

これはSIEの組織体制の特徴のひとつでもありますが、地域ごとではなく、部門で組織が成り立っていることから、部門主体で実施する施策も多く、その場合は各部門長やグローバルリーダー自らが強力な推進者となってくれています。Reset Time導入の正式な依頼も、各部門や部レベルのマネジメントが直接コミュニケーションすることでメッセージへの理解が深まり、より実践しやすい雰囲気が生まれていたのではないかと思います。

――SIEの中で、心身と社会的な健康(Well-being)はどのように捉えられていますか?

平井さん:「仕事だけではない」という考え方が会社全体で当たり前になってきているという印象があります。きっかけはタウンホールミーティングの開催やジムさんが発信する週次のメッセージであったかもしれませんが、個人的には今や社員一人ひとりの考え方として根付いてきていると感じますね。また、優秀な人材を確保するためには、ダイナミックな処遇だけでなく、Well-beingをより重視した働き方やポリシーも、当たり前の条件として求められています。このような背景もあり、社員もマネジメントもWell-beingの大切さを実感し、実践しようという意識が高まっているのではないでしょうか。

――「Reset Time」で、おふたりの働き方にはどのような影響がありましたか?

平井:より計画性を持って一週間の業務にあたれるようになったことを実感しています。日中は会議が多く、その合間に作業することが難しいこともありましたが、金曜にまとまった時間があるとわかっている事で予定を立てやすくなりましたね。私が入社した昨年度は、PS5ローンチに向けた繁忙期のピークであり、かつテレワークという状況でした。仕事のキャッチアップをしながら、たくさんの会議や次から次へと降ってくる業務をまわすことで精いっぱい、という働き方でしたが、Reset Timeが導入されたことで  頭の中を整理する時間が確保できるようになりました。少し気になっていたけど取り組めていなかった改善に着手したり、自分で何かを作り上げるための時間に充てたりと、自身の成長にもつながっていると感じています。

茂呂:私は初め、スケジュールが空いていることになかなか慣れなかったのですが、一緒に働くメンバーでReset Timeを実践し、互いの時間を守っているうちに、その気持ちも変化しました。この時間帯でリフレッシュでき、今では非常に貴重な時間となっています。