以前はフラッシュメモリやストレージデバイスを扱っているメーカーで、BtoB関連の業務に携わっていました。主にデバイスのインターフェースの評価や解析を担当しており、具体的にはオシロスコープなどの計測器を使ったアナログ評価や通信プロトコルの検証などを任されていました。
以前の会社では8年ほど働いていましたが、特定業務の専任として過ごしていました。私としてはもっと幅広い技術を扱えるエンジニアになりたいと思っていましたが、会社や事業の都合でジョブローテーションも難しい状況だったので、転職を検討するようになりました。
転職先としてSIEを選んだ理由は、私が強みとしていたインターフェース関連のスキル・経験を軸に、幅広い業務にチャレンジできる環境であったことが大きいです。また、私自身はゲームに対してそこまで強い思い入れがあったわけではありませんが、前職で長い間BtoBの仕事を担当していたこともあり、PlayStationのようなBtoCの製品の開発に関わる仕事に興味を持っていました。
エンドユーザーにより近い立ち位置だからこそ体感できるユーザーからの期待値やプレッシャーを感じてみたい気持ちがあったほか、自分が手掛けた製品の価値や成果も見えやすくなると考えたので、そのような「BtoCならでは」の面白さが感じられるフィールドに挑戦したいと思ったのです。
もともと面接の段階で「いろいろな仕事をしますよ」と言われ、私自身もそのような働き方を望んで入社したので、業務の幅広さについてギャップを感じることはありませんでした。
ただし、各業務で求められる知識のキャッチアップについてはかなり苦労しました。PlayStationは、ものすごく大きなアーキテクチャを持ったSoC(System on a chip)で成り立っているデバイスであるため、業務で求められる知識の幅も自分の想像を超えていました。最初は「こんな大きな仕事はやりきれないかもしれない」と不安に思いましたが、入社から1年2カ月が経ち、それぞれの仕事の進め方やコツを理解できるようになりました。
最初からすべてを理解することは難しいので、自分の業務に必要な領域にスポットを当てつつ、外堀から徐々に埋めていくような感覚で知識を増やしてきました。もちろん、まだまだすべてが埋まり切っているとは言えないので、これからも引き続き学び続けていきたいと考えています。
主にLSI開発の上流工程を担当しています。SoCの仕様策定やテストプランの検討、FPGAを使った動作検証などを行うほか、海外のLSIデザインハウスとコミュニケーションを取りながらチップの試作品を開発します。チップの試作品が完成した後は、試作品の検証評価を実施し、そのチップを使ってPlayStationを組み上げ、製造工程でのテストプランも検討するなど、LSI開発の上流工程を一気通貫で担っていくようなイメージです。
社内ではハードウェア設計部門やソフトウェアチームと協業します。また、社外でも多くの海外パートナーとの協業が頻繁に発生します。
ほぼ毎日のように英語を使って仕事をしています。海外拠点や海外パートナーとのミーティングも多いので、ライティングとリーディングだけでなく、リスニング、スピーキングのスキルも必要になります。
相手側もこちらの意図を汲んで理解してくれる人が多いので、必ずしもネイティブレベルである必要はありませんが、上達への意欲だけは持っておくべきだと思います。私もSIEに入社した時点では、それほど流暢に英語を使えませんでしたが、日々継続して使い続けることにより、スキルが向上していることを実感しています。
PlayStationの開発自体は概ね5年程度のロングタームで進みますが、その5年の中で、さまざまな短期的・中期的なマイルストーンを設定した上で業務に取り組んでいます。短いスパンで実施する業務も少なくないので、スピーディーな仕事の進め方が必要になるケースもありますね。
現在、PlayStationは世界に1億人以上のアクティブユーザーがいます。自分が開発に関わったゲーム機が、それだけ多くの人たちに遊んでもらえること自体に大きなやりがいを感じます。その一方で、ユーザーに対する責任感も大きいですし、仕事に対する緊張感も増しています。もちろん前職でも責任感や緊張感を持って仕事に取り組んでいましたが、PlayStation という誰もが知っている大きな製品を動かしている感覚があるため、やりがいも責任感も以前より一段と大きなものになっていると思います。
SIEに入社して1年2カ月になりますが、入社1年目の後半にハードウェア領域のリーダーを任されることになりました。先ほどもお話ししたように、私自身まだまだ勉強中の段階であり、本当に恐れ多い話だったのですが、上司から「責任は私が取る。裁量権を与えるから好きなようにやってほしい」と言われ、チャレンジすることに決めました。自分のキャリアの中でもマネジメントの経験はまったくなかったので、すごく貴重な経験をさせてもらっていると感じています。
現時点では「自分」という人間を知ってもらうことが大切だと考えているので、さまざまな人たちと積極的にコミュニケーションを取ることを心掛けています。現在はリモートワークがメインですが、週一回の出社日にフェイス・トウ・フェイスで話をしておくと、そのあとはオンラインのチャットでも声を掛けやすくなります。
また、SIEでは手を挙げればチャンスが得られるだけでなく、手を挙げる前からチャンスを与えてくれるような上司・先輩がたくさんいるので、若手のうちから成長機会が巡ってきます。そのときに自分の意思でしっかりと手を挙げさえすれば、さまざまなチャンスをモノにできると思います。
SIEには自由な雰囲気がありますが、その中で能動的に仕事に取り組まれている方が多い印象です。また、LSI開発部門に関して言えば、現状に満足することなく常に新しいことに挑戦し、成長し続けようとする意欲にあふれた組織です。成功したことや上手くいったことは積極的に奨励し、失敗についてはしっかり内省して成功するためのプロセスを考え直していく。そんな自浄作用の高い組織であると感じます。
定期的に社員が参加できるパーティーやイベントが開催され、他部門のメンバーと仕事以外で交流できる機会も少なくありません。また、毎週水曜日の「アンカーデー」には、フリースペースのテーブルにお菓子が置かれるので、みなさんでブレイクタイムを楽しんでいます。SIEの本社がアメリカにあることもあり、外資系企業的なカルチャーを感じることも多いですね。社風は外資、雇用体系は日系という面白い棲み分けができている会社だと思います。
SIEのLSI開発部門にはそれなりの歴史があるため、PlayStationの開発に携わり続けているベテランのメンバーも在籍しています。他の会社を探しても見当たらないような豊富な知見や洗練された技術を持ったエンジニアのみなさんと一緒に働けるので、仕事を進める際の心強さはもちろんのこと、常に「自分もこんな人になりたい」という目標を持ち続けることができ、日々のモチベーションにもつながっています。
単なるBtoC製品・サービスではなく、PlayStationという世界的にも影響力の大きいプロダクトを扱っているので、PlayStationの開発を通じて「遊びのトレンド」を創り出していきたいと考えています。今後、PlayStationがどのように進化するかによって、世界のゲームや遊びが変わっていくと思います。その一端を担える部門に所属しているからには、自分のアイデアや提案によって世の中の遊びのトレンドを変えるような仕事を成し遂げてみたいです。
新卒の方の場合、大学などでLSIや半導体などを学んだバックグラウンドをお持ちであれば、入社後間もないうちに即戦力として活躍できるようになると思います。学生時代に学んできたことをストレートに仕事に活かすことができるので、仕事のやりがいも大きいと思います。
中途の方の場合は、何か一つご自身の軸となる強みを持っている方がいいと思います。私の場合はインターフェースでしたが、私以外のキャリア入社者のメンバーも、何か一つ大きな強みを持っている方が多いです。もちろん、その一つの強みだけではPlayStation開発に参加することはできないので、入社後にさまざまな知識・情報を自ら積極的に取りにいけるような方が向いていると思います。
SIEのLSI開発部門には、世界最高峰の開発環境が整っています。また、自分に足りていない知識や技術を学べる環境があり、いつでも親身になってサポートしてくれる上司や先輩、仲間たちがいます。ぜひ、私たちと一緒に新しい遊びのトレンドを創っていきましょう。